材料中の粒界に存在する二次粒界転位は、溶質原子の偏析エネルギーに大きな影響を与え、材料の特性を制御するための新たな設計指針となる可能性がある。
従来の粒界偏析モデルは、溶質元素間の競合のみを想定しており、多成分合金における協調的な偏析挙動を予測できない。本研究では、量子精度計算と機械学習を用いて、各溶質元素が異なる粒界サイトを占有する「協調的偏析」モデルを提案し、Al(Ni, Hf)合金を用いた実験によりその有効性を検証した。