本研究は、クラウドソーシングコンテストにおける理想者の報酬選好と、報酬選択権の付与および市場コンテキストが理想者のアイデアの質と努力に与える影響を明らかにしている。
研究1では、非営利のコンテキストにおいて、理想者に6種類の報酬オプションを提示したところ、現金報酬が最も人気だったが、非現金報酬を合計すると過半数を占めた。また、報酬選択権の付与自体がアイデアの質を向上させる可能性が示唆された。
研究2では、報酬選択権の付与がアイデアの質を向上させることを実験的に確認した。ただし、現金報酬を選択した理想者のアイデアの質は低く、非現金報酬を選択した理想者の努力も低かった。
研究3では、営利/非営利のコンテキストが報酬の効果を調整することを示した。営利コンテキストでは、非現金報酬が努力を低下させる傾向にあった。
研究4では、理想者の報酬選好が同質的な場合、報酬選択権の付与が効果的でないことを明らかにした。これは、報酬選好の多様性が報酬選択権の効果を生み出す重要な条件であることを示唆している。
以上より、クラウドソーシングコンテストの主催者は、理想者の多様な報酬選好に合わせて現金と非現金の選択肢を提供することで、より効果的な報酬設計ができると考えられる。
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