Kernkonzepte
中間質量Ar+Sc系における$K^*$共鳴生成の分析から、化学的凍結と運動学的凍結の間の時間を推定することができる。
Zusammenfassung
本研究は、NA61/SHINE実験において、SPS加速器のエネルギー範囲(√$s_{NN}$ = 8.8, 11.9, 16.8 GeV)で行われた中心Ar+Sc衝突における$K^*(892)^0$生成の初期結果を報告するものである。
主な結果は以下の通り:
- $K^*(892)^0$の横運動量、横質量、および rapidity スペクトルを得た。測定されたrapidityスペクトルは、EPOS及びFTFP-BERTモデルでは再現できない。
- $K^*/K$比は、75$A$GeV/cと150$A$GeV/cの衝突エネルギーでは期待通りの抑制が観測されたが、40$A$GeV/cでは抑制は見られなかった。
- 75$A$GeV/cと150$A$GeV/cのAr+Sc衝突における化学的凍結と運動学的凍結の間の時間は、Pb+Pb衝突の結果に近い値となった。
これらの結果は、中間質量核-核系における高エネルギー衝突ダイナミクスの理解に重要な知見を与えるものである。
Statistiken
$K^*(892)^0$の平均横運動量は、p+p衝突からAr+Sc衝突に移行するにつれて増加する。これは、放射流の効果によるものと考えられる。
$K^*(892)^0$の平均多重度は、衝突エネルギーおよび衝突系の大きさの増加とともに増加する。
Zitate
"共鳴生成は、高エネルギー衝突のダイナミクスを研究する上で重要な観測量の1つである。"
"$K^(892)^0$の平均寿命は、化学的凍結と運動学的凍結の間の時間に匹敵するため、一部の$K^(892)^0$は火球内で崩壊する。"