Concepts de base
本研究は、変分オートエンコーダーと距離メトリックを組み合わせた新しい手法を提案し、不完全なデータでも高精度な故障検知と状態評価を実現する。
Résumé
本研究は、産業システムの状態監視における重要な課題である不完全なデータ問題に取り組んでいる。提案手法は以下の通り:
変分オートエンコーダーを用いて、正常データと劣化データの特徴を潜在空間で抽出・圧縮する。
潜在空間上での正常データからの距離を健康指標として定義する。この距離が大きいほど、システムの状態が悪化していることを示す。
学習時に正常データと劣化データのみを使用し、未知の深刻な故障データを含む新しいデータに対しても健康指標を計算できる。
IMS軸受データセットを用いた実験では、提案手法が99.51%の高精度で未知の故障を検知できることを示した。また、健康指標の推移が既存の理論モデルと良く一致することを確認した。
提案手法は、正常データと劣化データのみを使用しながら、未知の深刻な故障に対しても高精度な検知を実現できる。これにより、産業分野における安全性向上と最適な保守実践に貢献できると期待される。
Stats
正常運転時のデータと劣化データを合わせて20ファイル使用した。
深刻な故障データとして10ファイルを追加した。