本研究では、高周波スイッチング電力エレクトロニクスの冷却に芯なしベーパーチャンバーを使用する実験的な検討を行った。
ベーパーチャンバーは、蒸発器側と凝縮器側の両方に特殊な濡れ性パターンを施した完全な芯なし構造である。蒸発器側は均一な超親水性を持ち、凝縮器側は疎水性と親水性のパターンを持つ。この構造により、ウィックによる圧力損失の問題がなく、極薄のベーパーチャンバーを実現できる。
実験では、高周波で動作するMOSFETを並列接続し、発生した熱をベーパーチャンバーが吸収・拡散する様子を観察した。ベーパーチャンバーの充填率を変えながら、熱抵抗の変化を測定した。
その結果、パターン化された凝縮器を持つベーパーチャンバーが最も優れた性能を示した。充填率を52%に設定した場合、わずか0.046 K/Wの低い熱抵抗が得られた。一方、均一な疎水性凝縮器を持つ基準ベーパーチャンバーでは、最低でも0.099 K/Wの熱抵抗しか得られなかった。
パターン化された凝縮器は、凝縮水の排出を促進し、ベーパーチャンバー全体の熱交換性能を向上させることが分かった。このように、芯なしベーパーチャンバーは高周波スイッチング電力エレクトロニクスの冷却に有効であることが実証された。
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