標準的な勝利率(WR)法は、心血管臨床試験でよく用いられる複合エンドポイントの解析において、死亡などの事象に絶対的な優先順位を与えるため、治療効果が非致死的事象に主にみられる場合に検出力が低下する可能性がある。本稿では、複数閾値を用いた勝利率(WR-MT)を提案する。これは、非ゼロ閾値を持つ段階を追加することで、標準的なWRの厳密な階層構造を緩和するものである。