本稿では、クラウドコンピューティングにおけるサーバーレンタル問題(RSiC)を取り上げ、特にジョブの実行時間が同一である場合のオンラインアルゴリズムNextFitとFirstFitの競合比について考察しています。
NextFitアルゴリズムは、常に最大でも1つのサーバーをオープン状態として維持し、到着したジョブを可能な限りそのサーバーに割り当てていくアルゴリズムです。ジョブがオープン状態のサーバーに割り当てられない場合、そのサーバーをクローズし、新たなサーバーをオープンしてジョブを割り当てます。本稿では、ジョブの実行時間が同一かつ到着時間が任意である場合、NextFitアルゴリズムの競合比が2になることを証明しました。これは、NextFitアルゴリズムが任意の時点で最適解の2倍以下のサーバー数しか使用しないことを示しており、従来の研究で示されていた上限値2µ+1(µはジョブの実行時間の最大値と最小値の比)を改善する結果となっています。
FirstFitアルゴリズムは、到着したジョブを、可能な限り最も早くオープンされたサーバーに割り当てていくアルゴリズムです。本稿では、ジョブの実行時間が1で、到着時間が0とt(0<t<1)の2種類のみである場合を考え、FirstFitアルゴリズムの競合比の下限が34/27(1+t)になることを示しました。これは、t>0.35の場合には、従来のビンパッキング問題におけるFirstFitアルゴリズムの下限値を上回る結果となっています。さらに、重み関数法を用いることで、t≧0.559の場合には、FirstFitアルゴリズムの漸近競合比の上限が168/131(1+t)になることを示しました。これは、RSiC問題の解析に重み関数法を適用した初めての例となっています。これらの結果から、t→1の場合には、FirstFitアルゴリズムの競合比は2.519から2.565の間にあることが示唆されます。
本稿では、ジョブの実行時間が2で、到着時間が0, 1, 2,...のような整数の値を取る場合に、FirstFitアルゴリズムによって長時間稼働するサーバーの負荷が漸近的に2/3になることを示しました。このことから、FirstFitアルゴリズムの競合比が悪化する要因は、短時間しか稼働しないサーバーの存在であることが示唆されます。
本稿では、クラウドコンピューティングにおけるサーバーレンタル問題において、ジョブの実行時間が同一である場合のオンラインアルゴリズムNextFitとFirstFitの競合比について考察しました。NextFitアルゴリズムについてはタイトな競合比の上限値を証明し、FirstFitアルゴリズムについては、従来の研究で示されていた上限値を改善する結果を得ることができました。
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by Mahtab Masoo... pada arxiv.org 10-11-2024
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