本論文は、有限生成合同の和が基底項代数上の合同になるかどうかの決定問題を扱っています。著者であるサンドール・ヴァグヴォルジ氏は、この問題が、入力のサイズの二乗時間で決定可能であることを示しました。
論文ではまず、2つの基底項方程式系EとFが与えられたとき、それらによって生成される合同の和が合同であることと、和集合E∪Fによって生成される合同が、EとFそれぞれによって生成される合同の和と等しいことが同値であることを示しています。
次に、この決定問題を解くためのアルゴリズムを提案しています。アルゴリズムは、入力として2つの基底項方程式系EとFを受け取ります。まず、EとFから簡約基底項書き換えシステムR⟨E, F⟩を構築します。このR⟨E, F⟩は、EとFの和集合によって生成される合同関係を表しています。
次に、R⟨E, F⟩を用いて、補助的な有向擬グラフAUX[E; F]を構築します。このグラフの頂点は、R⟨E, F⟩中の各書き換え規則の右辺に現れる定数記号に対応し、辺は書き換え規則の左辺に現れる定数記号間の関係を表しています。
最後に、AUX[E; F]に対して深さ優先探索を行うことで、EとFによって生成される合同の和が合同であるかどうかを判定します。
本論文で提案されたアルゴリズムは、基底項代数上の合同に関する決定問題を効率的に解くための新しい手法を提供するものです。
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