本研究では、SARS-CoV-2感染によりホスト細胞でYAPの転写活性が抑制されることを示した。肺上皮細胞と心筋細胞の解析から、SARS-CoV-2感染により YAPターゲット遺伝子の発現が低下することが明らかになった。
SARS-CoV-2の非構造タンパク質のスクリーニングにより、NSP13がYAPの転写活性を強く抑制することが分かった。NSP13はLATS1/2非依存的にYAP活性を抑制し、YAP5SAの活性も抑制した。NSP13の変異体解析から、NSP13のヘリカーゼ活性がYAP抑制に重要であることが示された。
機序解析の結果、NSP13はTEAD4と結合し、YAP/TEAD4複合体に招集される。さらに、NSP13はTTF2やCCT3などのYAP抑制因子を複合体に取り込むことで、YAP/TEAD4の転写活性を不活性化することが明らかになった。
以上の結果から、NSP13がTEAD4を介してYAP/TEAD4複合体を不活性化することで、SARS-CoV-2感染時のHippo-YAPシグナル経路の調節に関与することが示された。この知見は、SARS-CoV-2感染時の病態理解と、YAP依存性疾患の治療標的としてのNSP13の可能性を示唆している。
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by Meng,F., Kim... at www.biorxiv.org 11-30-2023
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