Core Concepts
本論文では、重み付き有向グラフにおいて、最適な経路コストに対する最も厳密な許容範囲を見つける問題を提案する。この問題は、エッジ重みの不確実性を考慮した最短経路問題の一般化である。
Abstract
本論文では、最も厳密な許容範囲の最短経路(TASP)問題を提案している。この問題は、エッジ重みの不確実性を考慮した最短経路問題の一般化である。
まず、重み付き有向グラフにおいて、エッジ重みを複数回推定できる一般化された枠組みを紹介する。この枠組みでは、各エッジの重みに対して、低コストから高コストまでの推定値の順序付けられた集合が定義される。
次に、TASP問題を定義する。TASP問題は、最適コストに対する最も厳密な許容範囲を見つける問題である。この問題は、最短経路の最小コスト下限(SLB)問題と最短経路の最小コスト上限(SUB)問題に分解できることを示す。
SLB問題は既に解決されているが、SUB問題は新たに定義され、解決アルゴリズムであるBEASTを提案する。さらに、BEAUTY&BEASTアルゴリズムを提案し、SLBとSUBの解を組み合わせてTASP問題を解く。
実験評価では、BEAST、BEAUTY&BEASTアルゴリズムの有効性を示している。特に、BEAUTY&BEASTは、SLBの解を活用することで、より効率的にSUBを解くことができることを示している。
Stats
エッジ重みの最小推定値と最大推定値の差は、最適コストの7%から98%の範囲にある。
最小推定値と最大推定値の差が小さいほど、最適経路の許容範囲が狭くなる。