Core Concepts
視界不良条件下における多数物体追跡手法の性能低下を明らかにし、その限界を明らかにする。
Abstract
本研究では、現実世界の多数物体追跡ベンチマークデータセットMOT17に対して、物理ベースの体積フォグシミュレーションを適用し、様々な視界不良条件を再現した。これにより、現状の最先端多数物体追跡手法の性能を定量的に評価し、視界不良に対する堅牢性の限界を明らかにした。
具体的には以下の通り:
- 単眼深度推定と光学フォグモデルを組み合わせ、均一および非均一なフォグ効果を再現するパイプラインを提案した。
- 提案手法を用いて、MOT17データセットにフォグを付与し、様々な視界不良条件を再現した。
- 代表的な4つの最先端多数物体追跡手法について、視界不良条件下での性能を包括的に評価した。
- 評価結果から、現状の多数物体追跡手法には視界不良に対する堅牢性の限界があることを明らかにした。特に、検出器の性能が追跡性能に大きな影響を与えることが分かった。
- 再同定モデルの活用などにより、視界不良に対するロバスト性を高められる可能性が示唆された。
Stats
視界不良レベル1では、ByteTrackの追跡精度(HOTA)が25%低下した。
視界不良レベル3では、FairMOTとCenterTrackの追跡精度(HOTA)がそれぞれ48%、51%低下した。
視界不良レベル4では、Tracktor++の追跡精度(HOTA)が86%低下した。
Quotes
"視界不良条件下における多数物体追跡手法の性能低下を明らかにし、その限界を明らかにする。"
"検出器の性能が追跡性能に大きな影響を与えることが分かった。"
"再同定モデルの活用などにより、視界不良に対するロバスト性を高められる可能性が示唆された。"