Core Concepts
Verilog-Aを用いて、単一ポートを通じて双方向の信号伝搬を実現する手法を提案する。電磁気学の電力波と散乱パラメータの概念を活用し、実測データに基づくフォトニックデバイスの応答を正確にモデル化できる。
Abstract
本論文では、Verilog-Aによるフォトニックデバイスのモデル化手法を提案する。単一ワイヤ上で前方および後方に伝搬する波を同時に扱うことができ、従来手法の冗長性を排除している。また、散乱パラメータを用いることで、任意のパッシブフォトニックデバイスの応答をデータ駆動型でモデル化できる。
提案手法の有効性を示すため、いくつかのフォトニック回路を例に検討した。
マイケルソン干渉計: 双方向伝搬を考慮することで、正確な伝送特性を再現できる。
熱・キャリア変調型位相シフタを用いた干渉計: 双方向伝搬を考慮することで、レーザ側および検出器側の反射波を正しくモデル化できる。
ブラッググレーティングによるファブリ・ペロー共振器: 双方向伝搬を考慮することで、正しい共振特性を再現できる。
反射キャンセル回路: 双方向伝搬を考慮することで、局所的および大域的な最小値を正しくモデル化できる。
以上より、提案手法によりエレクトロニクス-フォトニクス共同設計がより直感的かつ正確に行えることが示された。
Stats
干渉計の伝送特性において、双方向伝搬を考慮しないと誤差が生じる。
ファブリ・ペロー共振器の共振特性において、双方向伝搬を考慮しないと共振ピークを正しくモデル化できない。
反射キャンセル回路の応答において、双方向伝搬を考慮しないと局所的および大域的な最小値を正しくモデル化できない。