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DTX3L ユビキチンリガーゼによるシングルストランド核酸のユビキチン化


Core Concepts
DTX3LユビキチンリガーゼはシングルストランドDNAおよびRNAを直接ユビキチン化する。
Abstract
本研究では、DTX3LユビキチンリガーゼがシングルストランドDNAおよびRNAを直接ユビキチン化することを明らかにした。 DTX3Lは、シングルストランド核酸結合ドメインを持つN末端領域と、ユビキチン化活性を持つC末端のRING-DTC領域から構成される。 DTX3L-RD領域は、シングルストランドDNAおよびRNAを効率的にユビキチン化することができる。 ユビキチン化は、シングルストランド核酸の3'末端のリボース部分の3'ヒドロキシル基に結合して起こる。 DTX3LおよびDTX3のみがシングルストランド核酸のユビキチン化を触媒することができ、RING-DTC領域の特定の配置が重要な役割を果たしている。 シングルストランド核酸のユビキチン化は、ADPリボース修飾と同様のメカニズムで起こると考えられ、DTX3LのDTC領域がシングルストランド核酸を結合し、RING領域がE2~ユビキチンを招致することで反応が進行する。 この新規の非タンパク質基質のユビキチン化反応は、DTX3Lの生物学的機能の理解につながる可能性がある。
Stats
シングルストランドDNAのユビキチン化反応には、E1、UBE2D2、ユビキチン、Mg2+-ATPが必要である。 シングルストランドRNAのユビキチン化反応にも同様の反応成分が必要である。 ユビキチン化されたシングルストランド核酸は、脱ユビキチン化酵素USP2によって脱ユビキチン化される。 シングルストランド核酸のユビキチン化は、3'末端の2塩基以上が一本鎖の二重鎖DNAでも起こる。
Quotes
"DTX3L binds and ubiquitinates single-stranded DNA and RNA." "The minimal fragment of DTX3L required for Ub-ADPr formation is the conserved C-terminal RING-DTC domain." "Mutation of the residues previously proposed to form the catalytic site for ubiquitination of ADPr abolished the ubiquitination of ssDNA."

Deeper Inquiries

DTX3Lによるシングルストランド核酸のユビキチン化は、どのような生物学的機能に関与しているのだろうか

DTX3Lによるシングルストランド核酸のユビキチン化は、DNA損傷修復などの生物学的機能に関与しています。具体的には、DTX3L/PARP9複合体は、PARP9のマクロドメインを介してPARを認識し、損傷した部位に複合体を誘導することでDNA損傷修復に関与しています。RNA自体もDNA損傷修復に寄与しており、これらの損傷部位には3'末端に3つ以上のヌクレオチドがあるdsDNAも含まれる可能性があります。したがって、DTX3Lは、ssRNAや3'末端に2つ以上のヌクレオチドがあるdsDNAなど、様々な核酸を直接ユビキチン化することで、DNA損傷修復経路における潜在的な基質として機能している可能性があります。

DTX3L以外のDTXファミリーメンバーがシングルストランド核酸のユビキチン化を触媒できない理由は何か

DTX3L以外のDTXファミリーメンバーがシングルストランド核酸のユビキチン化を触媒できない理由は、特定の構造的要件や配列の違いによる可能性が考えられます。研究では、DTX3LとDTX3以外のメンバーには、ADPrを結合するDTCポケット周辺の構造的な違いが示唆されています。また、DTX3LとDTX3は、他のDTXメンバーよりもARモチーフを欠いており、この違いがユビキチン化反応に影響を与える可能性があります。さらに、DTX3LのDTCドメインとRINGドメインの特定の配置が、ユビキチン化の特異性に重要な役割を果たしている可能性も考えられます。

シングルストランド核酸のユビキチン化は、ウイルス感染応答などの生体防御機構にどのように関与しているのだろうか

シングルストランド核酸のユビキチン化は、ウイルス感染応答などの生体防御機構に重要な役割を果たしています。例えば、ウイルスはさまざまな遺伝子材料を持ち、その中にはシングルストランド核酸が含まれることがあります。DTX3Lによるシングルストランド核酸のユビキチン化は、ウイルスの核酸を標的として、ウイルス感染に対する生体防御応答を調節する可能性があります。さらに、ウイルス感染時には、DTX3L/PARP9複合体の発現が誘導され、この複合体はホストおよびウイルスタンパク質のユビキチン化を介して抗ウイルス防御機構に関与することが知られています。したがって、DTX3Lによるシングルストランド核酸のユビキチン化は、ウイルス感染応答などの生体防御機構において重要な役割を果たしている可能性があります。
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