Core Concepts
多通過ストリーミング問題のための新しい情報複雑性尺度を導入し、コイン問題やニードル問題などの重要な問題に適用することで、これらの問題に対する強力な下界を示した。
Abstract
本論文では、多通過ストリーミング問題のための新しい情報複雑性尺度を提案した。この尺度は、1通過の場合の情報複雑性尺度を一般化したものである。
コイン問題については、この新しい尺度を用いて、任意の定数回の通過に対して Ω(log n) ビットの下界を示した。これは、1通過の場合の下界を大幅に強化するものである。また、この結果から、厳密な回転ストリームにおける近似カウンタ問題の Ω(log n) ビットの下界も導出できる。
さらに、コイン問題に対する直和定理を示し、これを応用して、ℓp ノルム推定、ℓ2 ポイントクエリー、ℓ2 ヘビーヒッターズ、圧縮センシングなどの問題に対する多通過下界を得た。
ニードル問題については、従来の下界を改善し、任意の定数回の通過に対して kps^2n = Ω(1) の下界を示した。これにより、頻度モーメント推定問題の最適な下界を導出できる。
Stats
任意の定数回の通過に対して、コイン問題を解くアルゴリズムは Ω(log n) ビットのメモリを必要とする。
任意の定数回の通過に対して、ニードル問題を解くアルゴリズムは kps^2n = Ω(1) を満たす。