Core Concepts
現実的なハードウェア不具合を考慮した上で、可変ホログラフィック表面を用いた省エネ型通信システムの設計手法を提案する。
Abstract
本論文では、現実的なハードウェア不具合を考慮した上で、可変ホログラフィック表面(RHS)を用いた省エネ型通信システムの設計手法を提案している。
具体的には以下の3つのサブ問題に分解して最適化を行う:
ホログラフィックビームフォーマーの設計: 提案の固有値分解(ED)法を用いて、全ユーザの固有チャネル利得の和を最大化するRHS素子の最適なON/OFFを決定する。
デジタルビームフォーマーの設計: 特異値分解(SVD)法を用いて、マルチユーザ間の干渉を除去するデジタルビームフォーマーを設計する。
送信電力配分比と総送信電力の最適化: 与えられた総送信電力下で、ハードウェア不具合を考慮した上で各ユーザへの最適な電力配分比を求める。また、各ユーザの電力配分比が決まった場合、総送信電力を最適化する。
理論的な解析から、ハードウェア不具合によって、高SNR領域での周波数効率が一定値に収束することを示した。また、提案手法の計算量は、O(Ta(N^3 + τ))であることを示した。
シミュレーション結果より、提案手法は従来の完全デジタルビームフォーマーや位相シフト配列(PSA)ベースのハイブリッドビームフォーマーよりも高いエネルギー効率を達成できることを示した。さらに、ハードウェア不具合を考慮した設計により、さらなるエネルギー効率の向上が可能であることを示した。
Stats
ρυ/σ^2_w = 10dB のとき、完全デジタルビームフォーマーの周波数効率は11.79bit/s/Hzに収束する。
ρυ/σ^2_w = 10dB のとき、提案手法のエネルギー効率の上限は22.99Mbit/Jである。
Quotes
"ハードウェア不具合によって、高SNR領域での周波数効率が一定値に収束する"
"提案手法の計算量はO(Ta(N^3 + τ))である"