Core Concepts
新しいマクロ-マイクロ分解を用いることで、保存量を保持しつつ低ランク近似を適用できる堅牢な数値解法を提案する。
Abstract
本論文では、Vlasov-Fokker-Planck方程式の数値解法に対して、新しいマクロ-マイクロ分解を提案している。
まず、分布関数fをマクロ成分Nとマイクロ成分gに分解する。Nは保存量に寄与する部分で、標準的な保存的手法で解く。一方、gは保存量に寄与しない部分で、動的低ランク近似を適用する。
この分解により、保存性を損なうことなく低ランク近似を適用できる。具体的には以下の手順で数値解法を構築する:
Nの方程式を保存的に離散化する。
gの方程式を動的低ランク近似(プロジェクター分割法)で離散化する。
Nとgの方程式を時間積分する際に、電場の更新方法に応じて、電荷、電流、エネルギーのいずれかを厳密に保存する。
提案手法は、保存性と低ランク近似の両立を実現しており、プラズマ物理学の問題に適用可能である。
Stats
電荷密度ρは以下の式で保存される:
∂tρ + ∂xJ = 0
電流密度Jは以下の式で保存される:
∂tJ + 2∂xκ = ρE
運動エネルギー密度κは以下の式で保存される:
∂tκ + ∂x(v3f/2) = JE