Core Concepts
W7-Xステラレーターの高ベータ運転において、理想バルーニング不安定性は非線形的に穏やかに飽和し、プラズマ閉じ込めの大規模な劣化を引き起こさない。
Abstract
本研究では、M3D-C1コードを用いて、W7-Xステラレーターの高ベータプラズマにおける圧力駆動不安定性の非線形MHDシミュレーションを行った。
標準的な'EIM'配位では、ベータが5%を超えると理想バルーニング不安定性が線形的に不安定化するが、非線形的には低レベルで飽和し、プラズマ閉じ込めの大幅な劣化は引き起こさない。これは、元来予想されていた大規模なプラズマ柱の破壊や、LHDでみられた密度崩壊事象とは対照的である。
一方、ほぼゼロの磁気シアーを持つ別の'TEH'配位では、ベータ1%でも理想的な交換不安定性が圧力崩壊を引き起こす。
これらの結果は、W7-Xの標準配位では、理想バルーニング不安定性が非線形的に穏やかに飽和し、大規模なMHD事象を回避できる可能性を示唆している。一方で、低n交換不安定性は深刻な影響を及ぼすため、ステラレーター設計においては線形安定性の最適化が重要であり、非線形安定性は補完的な役割を果たすことが示された。
Stats
ベータ4.9%の場合、圧力変化の最大値は約10%である。
ベータ5.4%の場合、圧力変化の最大値は約15%である。
ベータ6%の場合、圧力変化の最大値は約20%である。
Quotes
"W7-Xは、理想バルーニング不安定性が非線形的に穏やかに飽和し、大規模なMHD事象を回避できる可能性がある。"
"低n交換不安定性は深刻な影響を及ぼすため、ステラレーター設計においては線形安定性の最適化が重要である。"