Core Concepts
本論文は、ユーザーの局所的および大域的な興味を共同でモデル化することで、マルチモーダル推薦の精度と頑健性を向上させる新しいモデルLGMRecを提案する。
Abstract
本論文は、マルチモーダル推薦システム(MRS)の課題に取り組んでいる。従来のMRSは、ユーザーの履歴行動とアイテムのマルチモーダル情報を統合してユーザー興味をモデル化してきたが、2つの課題に直面している。
カップリング問題: 従来のMRSは、協調フィルタリングとマルチモーダル情報の学習を共有するユーザーID埋め込みを使用しており、これにより両者の信号が結合されてしまう。
局所性問題: 従来のMRSは主に局所的なユーザー興味をユーザー-アイテムの相互作用グラフから学習しているが、スパースな相互作用により頑健なユーザー興味をモデル化できない。
そこで本論文は、LGMRecと呼ばれる新しいモデルを提案する。LGMRecは以下の2つの特徴を持つ:
局所グラフ埋め込みモジュール: 協調フィルタリングとマルチモーダル情報を独立して学習し、ユーザーの局所的な興味をモデル化する。
大域的ハイパーグラフ埋め込みモジュール: アイテムの属性依存関係を捉えたハイパーグラフ構造を学習し、ユーザーの大域的な興味を獲得する。
これらの2つのモジュールで学習した局所的および大域的な表現を融合することで、マルチモーダル推薦の精度と頑健性を向上させることができる。
実験の結果、LGMRecは各種ベースラインと比較して優れた性能を示し、特にスパースなユーザー-アイテム相互作用を持つデータセットにおいて顕著な改善が見られた。また、ケーススタディの分析から、LGMRecが学習した大域的なハイパーグラフ依存関係が推薦に有効に機能していることが確認された。
Stats
ユーザーuとアイテムiの相互作用スコアˆru,iは、内積eu · ei⊤によって計算される。