Core Concepts
視覚ベースのコントローラーを使用するロボットシステムの安全性違反につながる入力を発見するため、ハミルトン-ヤコビ法によるリーチャビリティ解析と、シミュレーションベースの手法を組み合わせた手法を提案する。
Abstract
本研究では、視覚ベースのコントローラーを使用するロボットシステムの安全性違反につながる入力を発見するための手法を提案している。
まず、ロボットの状態空間をグリッド上に離散化し、シミュレータを用いて各グリッドポイントにおける視覚入力と制御入力を取得する。次に、ハミルトン-ヤコビ法によるリーチャビリティ解析を行い、安全でない状態に到達する可能性のある初期状態の集合(後方可到達集合)を計算する。この後方可到達集合に対応する視覚入力が、閉ループ障害につながる入力として特定される。
提案手法は、視覚ベースのコントローラーの高次元入力空間に対応できるだけでなく、シミュレーションベースの手法では発見が困難な非自明な障害も捉えることができる。
2つのケーススタディ(自律航空機のタキシング、屋内自律移動ロボット)を通して、提案手法の有効性を示している。具体的には、以下のような障害を発見している:
滑走路端付近での障害物検知の失敗
非対称なカメラ配置による障害
滑走路マーキングによる誤認識
狭隘部の通過失敗
低い障害物の誤認識
これらの障害は、提案手法によるリーチャビリティ解析を通して系統的に発見・分析することができた。一方、従来のシミュレーションベースの手法では、これらの障害を発見するのに膨大な計算時間を要する。
Stats
自律航空機の状態は、横方向誤差px、縦方向位置py、ヘディング誤差θの3次元で表される。
自律航空機の制御入力は、角速度uである。
自律ロボットの状態は、位置(px, py)、ヘディング角θ、並進速度v、角速度ωの5次元で表される。
自律ロボットの制御入力は、並進加速度aと角加速度αである。