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未知の入力に対する拡張状態オブザーバーのテイラー近似を用いた設計


Core Concepts
システムの状態と未知の外乱を同時に推定するための拡張状態オブザーバーの新しい設計手法を提案する。テイラー近似を用いて外乱の積分項を近似することで、観測不可能なシステムにも適用可能な手法を開発した。
Abstract
本論文では、システムの状態と未知の外乱を同時に推定するための拡張状態オブザーバーの新しい設計手法を提案している。 まず、システムモデルに外乱項を追加した拡張システムを定義する。しかし、この拡張システムは一般に観測不可能となるため、従来の拡張状態オブザーバーを適用できない。 そこで本手法では、外乱の時間微分を用いてテイラー近似を行い、新たな拡張システムを構築する。この拡張システムは観測可能となり、安定な観測器の設計が可能となる。 具体的には、外乱の時間微分を後退差分近似により表現し、さらにその積分項もテイラー近似を用いて近似的に表現する。これにより、外乱の動特性を含む拡張システムが構築でき、その観測器設計が可能となる。 Lyapunov-Razumikhin法を用いた収束性の証明から、提案手法の推定精度は人工遅延時間に依存することが示される。 最後に、数値シミュレーションにより提案手法の有効性が確認されている。外乱が加わった後も、状態量と外乱量の推定が良好に行えることが示されている。
Stats
外乱の一次微分の上界は d1 である。 外乱の二次微分の上界は d2 である。
Quotes
"システムの状態と未知の外乱を同時に推定するための拡張状態オブザーバーの新しい設計手法を提案する。" "テイラー近似を用いて外乱の積分項を近似することで、観測不可能なシステムにも適用可能な手法を開発した。"

Deeper Inquiries

提案手法の適用範囲はどのようなシステムに限定されるのか

提案手法は、行列Cの行数が行列Aの行数よりも小さい場合には適用できません。具体的には、行列Cの行数が行列Aの行数よりも小さいとき、系統は観測不可能となり、提案手法を適用することができません。

外乱の上界 d1, d2 を事前に知る必要があるが、実際のシステムではこれらの値を正確に把握するのは難しい

外乱の上界d1、d2を正確に把握することが困難な実際のシステムにおいて、これらの値を事前に知る必要があります。この問題に対処するために、提案手法では外乱の上界を適切に見積もることが重要です。実際のシステムで外乱の上界を正確に把握することが難しい場合、経験則や過去のデータを活用して、外乱の上界を適切に見積もることが考えられます。また、システムの動作や特性をよく理解し、外乱の振る舞いを詳細に分析することで、外乱の上界をより正確に推定することが可能です。

この問題をどのように解決できるか

提案手法において人工遅延時間hを適切に選ぶことは重要です。一般的な指針としては、人工遅延時間hを選ぶ際には、システムの動特性や外乱の振る舞いを考慮し、適切な時間スケールで遅延を導入する必要があります。また、シミュレーションや実験を通じて、最適な人工遅延時間を見つけるための試行錯誤が必要です。さらに、人工遅延時間の選び方に関する経験則やガイドラインを作成し、同様のシステムに対して適用することで、効果的な人工遅延時間の選択が可能となります。
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