Core Concepts
本論文では、入力遅延と状態/入力の量子化を同時に補償するためのスイッチング予測フィードバック制御則を提案している。量子化された状態と入力を用いて修正された予測フィードバック則を設計し、量子化器のパラメータをダイナミックに調整することで、大域的漸近安定性を達成する。
Abstract
本論文では、入力遅延と状態/入力の量子化を同時に補償するための制御手法を提案している。
まず、線形システムのモデルを表現し、量子化器の性質を定義している。次に、量子化された状態と入力を用いた修正された予測フィードバック則を設計している。量子化器のパラメータをダイナミックに調整するスイッチング戦略を構築し、大域的漸近安定性を示している。
具体的には以下の通りである:
開ループ系の解析から、状態が量子化器の範囲内に入る時刻を特定する。
量子化器のパラメータを段階的に減少させることで、閉ループ系の解が一定の割合で減少することを示す。これにはバックステッピング変換と入出力安定性の議論を用いる。
上記の2つの結果を組み合わせることで、大域的漸近安定性を証明する。
入力量子化の場合にも同様の結果が成り立つことを示す。
本手法は、入力遅延と量子化の両方の影響を考慮しつつ、大域的安定性を達成できる点が特徴的である。
Stats
X(t)の初期値|X0|と u0の初期値∥u0∥∞が与えられた時、解の上界は以下のように表される:
|X(t)|+∥u(t)∥∞≤γ(|X0|+∥u0∥∞)((2-ln Ω)/T)*(1/|A|)exp((ln Ω)/Tt)
ここで、γは定数であり、Ωは量子化器のパラメータに依存する値である。