Core Concepts
本研究は、グラフ注意ネットワークを活用して電子健康記録のデータ構造を捉え、医療コードの分類精度を向上させる手法を提案する。
Abstract
本研究は、電子健康記録(EHR)のデータを効果的に活用するため、グラフ注意ネットワーク(GAT)を用いた手法を提案している。
まず、医療サービスの埋め込み表現を作成し、患者の医療履歴を24時間単位のセグメントに分割する。次に、GAT を用いて各セグメントの埋め込み表現を学習する。この際、現在のセグメントの医療コードを予測する補助タスクと、次のセグメントの医療コードを予測する補助タスクを導入し、埋め込み表現の精度を高めている。
最終的に、得られた患者の訪問履歴の埋め込み表現を用いて、医療診断カテゴリの分類や再入院予測などの下流タスクを行う。
提案手法は、既存手法と比較して優れた性能を示しており、EHRデータの複雑な関係性を効果的に捉えられることが確認された。
Stats
心血管疾患は全体の26.04%を占める大きなカテゴリである。
提案手法のマイクロF1スコアは0.926、マクロF1スコアは0.529であり、既存手法を上回る性能を示した。
再入院予測のAUROCは0.59、AUPRCは0.20と、既存手法よりも高い精度を達成した。
特定の診断カテゴリ(がん、神経系疾患など)の再入院予測では、AUROCが0.85、F1スコアが0.92と高い精度を示した。