Core Concepts
単回投与の膵臓遺伝子療法がマウスモデルにおいて、GLP-1受容体作動薬と同等の体重減少および血糖改善効果を示し、投与中止後の効果の持続性が高かった。
Abstract
本研究では、アデノ随伴ウイルスベースの膵臓遺伝子療法がマウスの肥満モデルに対して、GLP-1受容体作動薬のセマグルチドと同等の体重減少および血糖改善効果を示すことが明らかになった。
膵臓遺伝子療法群では、4週時点で体脂肪量が21%減少し、セマグルチド群の16%減少を上回った。両群ともに除脂肪量の減少は5%と抑えられた。
8週時点では、セマグルチド中止群で体重減少効果がほぼ消失したのに対し、膵臓遺伝子療法群では体脂肪量17%減少、除脂肪量5%減少を維持した。
空腹時血糖も両群で4週時点で18%改善したが、セマグルチド中止群では基準値まで悪化したのに対し、膵臓遺伝子療法群では21-22%の改善が持続した。
膵臓への炎症や障害は認められなかった。
本療法は、GLP-1受容体作動薬の長期投与に代わる選択肢として期待されており、2025年にI相試験が計画されている。
Stats
体脂肪量が4週時点で膵臓遺伝子療法群で21%減少、セマグルチド群で16%減少した。
除脂肪量は両群で5%減少にとどまった。
空腹時血糖は4週時点で両群で18%改善したが、8週時点ではセマグルチド中止群で基準値まで悪化したのに対し、膵臓遺伝子療法群では21-22%の改善が持続した。
Quotes
「この療法は、GLP-1受容体作動薬の長期投与から確実に離脱できる選択肢になると期待される」
「これまでのところ、GLP-1シグナルと insulin シグナルの間に懸念される正のフィードバックループは認められていない」