Core Concepts
皮膚肉腫であるデルマトフィブロサルコーマ・プロトゥベランスは、黒人に2倍の発症率があり、高齢や腫瘍サイズの大きさが予後不良因子である。
Abstract
この研究は、2000年から2018年までのSEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)レジストリのデータを用いて、皮膚軟部肉腫であるデルマトフィブロサルコーマ・プロトゥベランス(DFSP)の発症率と予後因子を包括的に報告したものである。
全体のDFSP発症率は100万人あたり6.25件で、黒人は8.74件、白人は4.53件と黒人の発症率が2倍高かった。5年生存率は95.8%と良好だったが、60歳以上、男性、腫瘍サイズ3cm以上が予後不良因子として同定された。
DFSPの1年および5年疾患特異的生存率はそれぞれ99.9%と99.2%と非常に高かったが、やはり高齢と大きな腫瘍サイズが予後不良因子であった。また、頭頸部や外陰部の部位、高socioeconomic statusが転移リスク因子として示された。
この研究結果は、DFSPの人種差と臨床的予後因子の関係を明らかにしており、今後の病因解明と予防につながる重要な知見となる。
Stats
DFSPの全体発症率は100万人あたり6.25件
黒人のDFSP発症率は8.74件/100万人、白人は4.53件/100万人
5年生存率は95.8%
60歳以上の患者の予後ハザード比は6.66
男性患者の予後ハザード比は1.79
腫瘍サイズ3cm以上の患者の予後ハザード比は2.02
1年疾患特異的生存率は99.9%、5年疾患特異的生存率は99.2%
60歳以上の患者の疾患特異的生存ハザード比は3.47
腫瘍サイズ3cm以上の患者の疾患特異的生存ハザード比は5.34
腫瘍サイズ3cm以上の患者の転移リスクオッズ比は2.24
頭頸部病変の転移リスクオッズ比は4.88
外陰部病変の転移リスクオッズ比は3.16
高socioeconomic statusの患者の転移リスクが低い
Quotes
"我々の研究結果は、黒人患者におけるDFSPの発症率の高さを強調している。患者背景と臨床因子がDFSPの転移、全生存率、疾患特異的生存率に及ぼす影響を示した。"
"この結果は、提唱されている原因の更なる評価に役立ち、最終的にはこの疾患の理解と予防につながるだろう。"