Core Concepts
重力波検出器によって発見された巨大ブラックホールは、ミルキーウェイ銀河内部のものとは異なる起源を持つ可能性があり、初期宇宙の密度揺らぎから形成された初原ブラックホールの候補とされている。しかし、ミルキーウェイ銀河ハローにはこのような巨大ブラックホールは存在しないことが明らかになった。
Abstract
本研究では、20年間にわたるOGLE観測によって得られた約8000万個の星の光度曲線を解析し、長時間の重力レンズ効果を示す現象の検出を試みた。その結果、1年以上の時間スケールを持つ重力レンズ効果は検出されず、ミルキーウェイ銀河ハローに存在する可能性のある1.8×10^-4 から6.3太陽質量の範囲の天体は暗黒物質の1%以下しか占めていないことが明らかになった。また、1.3×10^-5 から860太陽質量の範囲の天体も暗黒物質の10%以上を占めていないことが示された。つまり、この質量範囲の初原ブラックホールは、重力波イベントの大部分を説明するとともに、暗黒物質の大部分を構成することはできないことが明らかになった。
Stats
ミルキーウェイ銀河ハローに存在する可能性のある1.8×10^-4 から6.3太陽質量の天体は暗黒物質の1%以下しか占めていない。
1.3×10^-5 から860太陽質量の天体も暗黒物質の10%以上を占めていない。
Quotes
「重力波検出器によって発見された巨大ブラックホールは、ミルキーウェイ銀河内部のものとは異なる起源を持つ可能性がある。」
「初原ブラックホールは、重力波イベントの大部分を説明するとともに、暗黒物質の大部分を構成することはできない。」