Core Concepts
事前に知られている曲線Pに関して、短い長さのクエリ曲線Qに対して、効率的に離散フレシェ距離を計算できるデータ構造を構築する。
Abstract
本論文では、離散フレシェ距離を効率的に計算するためのデータ構造(オラクル)の構築について述べている。
まず、曲線Pが事前に与えられている場合を考える。クエリ曲線Qの長さが定数であれば、サブ線形時間でQとPの離散フレシェ距離を計算できるデータ構造を構築できることを示す。
次に、Pが幾何グラフGの頂点-頂点パスである場合を考える。同様に、短いクエリ曲線Qに対して、Gの任意の頂点間パスとQの離散フレシェ距離を効率的に計算できるデータ構造を構築する。
さらに、t-localグラフと呼ばれる新しい幾何グラフの概念を導入し、これらのグラフに対しても同様のオラクルを構築できることを示す。t=1の場合、このクラスはデロネ三角形分割を含むことが分かる。
Stats
曲線Pの長さをnとすると、クエリ曲線Qの長さが1、2、3の場合、オラクルのクエリ時間はそれぞれO(log^3 n)、O(log^3 n)、O(log^4 n)である。
クエリ曲線Qの長さが4の場合、オラクルのクエリ時間はO(√n)である。
オラクルの構築に必要なメモリサイズは、クエリ長さが1、2、3の場合はO(n log n)、クエリ長さが4の場合はO(√n)である。