Core Concepts
心臓MRIデータから自動的に特徴を抽出し、肺動脈楔入圧を予測するマルチモーダルの機械学習パイプラインを開発した。
Abstract
本研究では、心臓MRIデータから肺動脈楔入圧を予測するための機械学習パイプラインを提案した。
前処理では、心臓MRIの標準化、自動ランドマーク検出、不確実性に基づくサンプルのフィルタリングを行った。特徴抽出には、テンソル学習手法のMPCAを用いた。さらに、短軸断面、4腔断面、心臓測定値の3つのモダリティを統合することで、予測性能を向上させた。
実験では、1,346人の患者データを用いて評価を行った。提案手法は、AUCで0.1027、精度で0.0628、MCCで0.3917の改善を示し、従来手法を大きく上回る性能を達成した。また、意思決定曲線分析の結果から、提案手法が大規模集団のスクリーニングに有用であることが示された。
本研究の主な貢献は以下の通りである:
自動ランドマーク検出と不確実性に基づくサンプル選択を組み込んだ、完全自動のパイプラインを開発した。
短軸断面、4腔断面、心臓測定値の3つのモダリティを統合することで、大幅な性能向上を実現した。
意思決定曲線分析により、提案手法の臨床的有用性を示した。
Stats
低肺動脈楔入圧(≤15 mmHg)の患者は940人、高肺動脈楔入圧(> 15 mmHg)の患者は406人であった。
高肺動脈楔入圧患者の平均年齢は70.5±10.6歳、低肺動脈楔入圧患者の平均年齢は64.8±14.2歳(p<0.01)。
高肺動脈楔入圧患者の平均体表面積は1.93±0.24 m2、低肺動脈楔入圧患者の平均体表面積は1.88±0.28 m2(p<0.01)。
高肺動脈楔入圧患者の平均心拍数は67.6±15.9 bpm、低肺動脈楔入圧患者の平均心拍数は73.9±15.5 bpm(p<0.01)。
高肺動脈楔入圧患者の平均左室質量は106±33.1 g、低肺動脈楔入圧患者の平均左室質量は92.3±25 g(p<0.01)。
高肺動脈楔入圧患者の平均左房容積は132.2±56.7 ml、低肺動脈楔入圧患者の平均左房容積は72.2±33.7 ml(p<0.01)。
高肺動脈楔入圧患者の平均肺動脈楔入圧は21.7±4.96 mmHg、低肺動脈楔入圧患者の平均肺動脈楔入圧は10.3±3.1 mmHg(p<0.01)。