Core Concepts
2タワー型推薦モデルにおいて、ユーザーエンコーディングの更新にはグラディエントバックプロパゲーションを用いず、代わりに移動平均集約戦略を用いることで、より効果的かつ効率的な推薦性能を実現する。
Abstract
本論文は、2タワー型推薦モデルにおける新しいバックプロパゲーション更新戦略を提案している。従来の2タワー型モデルでは、ユーザーエンコーディングとアイテムエンコーディングの両方をグラディエントバックプロパゲーションで更新していた。
しかし著者らは、アイテムにも潜在的な属性が存在し、ユーザーの興味が多様であるという仮定に基づき、ユーザーエンコーディングの更新にはグラディエントバックプロパゲーションを用いず、代わりに移動平均集約戦略を提案している。具体的には、ユーザーエンコーディングを、前回のユーザーエンコーディングと、今回更新されたインタラクションアイテムのエンコーディングの集約によって更新する。
一方、アイテムエンコーディングの更新にはグラディエントバックプロパゲーションを用いる。この「単一のバックプロパゲーション」(OneBP)戦略により、ユーザーの多様な興味を効果的に学習でき、かつ計算コストも大幅に削減できることを示している。
実験結果から、提案手法OneBPが、エンコーダーや負例サンプリング、損失関数などの高度な手法を用いた既存手法よりも優れた推薦性能を示すことを確認した。また、計算コストも大幅に削減できることが分かった。
Stats
ユーザーとアイテムの相互作用は、ユーザーの興味の多様性を反映している。
ユーザーとアイテムの相互作用は、アイテムの潜在的な属性を表現している。
Quotes
ユーザーの興味は多様であり、相互作用したアイテムは異なるクラスターに分布している。
アイテムにも潜在的な属性が存在する。