Core Concepts
本研究では、時間領域の境界要素法を用いて音波方程式を解く際に、一般化コンボリューション積分法と適応クロス近似を組み合わせた手法を提案している。これにより、大規模な3次元配列データを効率的に近似することができ、メモリ使用量を大幅に削減できる。
Abstract
本研究では、時間領域の境界要素法を用いて音波方程式を解く際の効率化手法を提案している。
まず、時間離散化には一般化コンボリューション積分法を用いる。これにより、複素数周波数領域の基本解を利用しつつ、時間領域の定式化を得ることができる。
次に、空間離散化には標準的な最低次要素を用いる。境界要素行列は3次元配列データとして表現できるため、一般化適応クロス近似(3D-ACA)を適用して低ランク近似を行う。これにより、必要な複素数周波数の数を適応的に決定でき、大幅な記憶容量の削減が可能となる。
提案手法を単位立方体、再入射角を持つ立方体、単位球の3つの例題に適用し、その性能を検証した。提案手法は元の密行列計算と同等の精度を保ちつつ、大幅な記憶容量の削減を実現できることを示した。また、時間計算量についても一定の効率化が得られることを確認した。
Stats
単位立方体の例題では、密行列計算と比べて最大で99.44%の記憶容量削減が可能であった。
再入射角を持つ立方体の例題では、密行列計算と同等の精度を保ちつつ、最大で99.44%の記憶容量削減が可能であった。
Quotes
"本研究では、時間領域の境界要素法を用いて音波方程式を解く際の効率化手法を提案している。"
"一般化適応クロス近似(3D-ACA)を適用して低ランク近似を行う。これにより、必要な複素数周波数の数を適応的に決定でき、大幅な記憶容量の削減が可能となる。"