Core Concepts
本研究では、重力下のバロトロピックオイラー系に対する安定かつ整合性のある数値スキームを設計し、その性質を解析した。スキームは半陰解法の時間離散化と有限体積法の空間離散化を組み合わせたものであり、エネルギー安定性、well-balanced性、漸近整合性の性質を備えている。
Abstract
本論文では、重力下のバロトロピックオイラー系に対する新しい数値スキームを提案し、その性質を解析している。
まず、オイラー系の定常解である静水圧平衡状態を正確に再現するwell-balanced性と、オイラー系からアネラスティック系への漸近整合性(AP性)を備えたスキームを設計した。これらの性質を達成するためのキーポイントは、密度と運動量の対流フラックスに適切な速度シフトを導入し、密度の離散化を工夫することである。
次に、相対エネルギーに基づくエネルギー安定性を示した。この安定性により、定常解が保存され、定常解からの摂動解も安定に保たれることが保証される。さらに、相対エネルギーの a priori 推定を用いて、オイラー系からアネラスティック系への漸近収束を厳密に証明した。
最後に、いくつかのベンチマーク問題を通して、提案スキームの性質を数値的に検証した。
Stats
静水圧平衡状態における密度は、重力ポテンシャルϕと関係するヘルムホルツ関数hγを用いて表される。
相対エネルギーは、密度ρと静水圧平衡密度˜ρの差を測る指標であり、その減少が安定性の証明に重要な役割を果たす。
Quotes
"本研究では、重力下のバロトロピックオイラー系に対する新しい数値スキームを提案し、その性質を解析している。"
"スキームは半陰解法の時間離散化と有限体積法の空間離散化を組み合わせたものであり、エネルギー安定性、well-balanced性、漸近整合性の性質を備えている。"
"相対エネルギーの a priori 推定を用いて、オイラー系からアネラスティック系への漸近収束を厳密に証明した。"