Core Concepts
NIST 軽量暗号化標準化プロセスの 6 つのファイナリストの S-box を詳細に分析し、それらの暗号学的特性を評価することで、NIST のセキュリティ要件への準拠性を明らかにする。
Abstract
この論文は、NIST 軽量暗号化標準化プロセスのファイナリストの S-box を詳細に分析しています。
まず、S-box の基本的な拡散特性を評価しています。ASCON、ISAP、Elephant、Photon-Beetle、GIFT-COFB のすべての S-box が、バランス性、置換性、固定点、反対固定点などの基準を満たしていることが示されています。これらの特性は、統計的な暗号解析攻撃に対する耐性を示すものです。
次に、線形解析に対する耐性を評価しています。ASCON/ISAP と Romulus の S-box は高い非線形性を持ち、線形近似確率が低いことから、線形解析に強いと言えます。一方、Elephant、Photon-Beetle、GIFT-COFB の S-box は線形構造を持っており、線形解析に弱い可能性があります。
差分解析に対する耐性については、ASCON/ISAP、Photon-Beetle、Romulus の S-box が優れた特性を示しています。一方、Elephant と GIFT-COFB の S-box は差分一様性が高く、差分解析に弱い可能性があります。
ブーメラン解析と差分線形解析に対する耐性も評価されており、ASCON/ISAP と Romulus の S-box が優れた特性を示しています。
最後に、側路解析に対する耐性も検討されており、ASCON/ISAP と Romulus の S-box が優れた特性を示しています。
全体として、ASCON/ISAP と Romulus の S-box が最も優れた暗号学的特性を持っており、NIST のセキュリティ要件に最も適合していると言えます。一方、Elephant、Photon-Beetle、GIFT-COFB の S-box には一部弱点が見られ、改善の余地があると考えられます。
Stats
ASCON/ISAP S-box:
非線形性: 12
線形近似確率: 2^-3
差分一様性: 4
差分線形一様性: 8
Romulus S-box:
非線形性: 112
線形近似確率: 2^-7
差分一様性: 4
差分線形一様性: 8
Elephant S-box:
差分一様性: 16
Photon-Beetle S-box:
差分一様性: 4
GIFT-COFB S-box:
差分一様性: 8