Core Concepts
大量の未ラベルデータを活用した自己教師あり学習により、限定的なラベルデータでも高精度なユーザー位置推定が可能となる。
Abstract
本研究では、ユーザー位置推定のためのチャネル状態情報(CSI)データを活用する。従来の手法は大量のラベル付きデータを必要としていたが、本研究では以下の2つのアプローチを提案する。
自己教師あり学習によるプリトレーニング:
大量の未ラベルデータを用いて、オートエンコーダーモデルによりCSI特徴量の表現を学習する。
MLPベースとCNNベースの2つのオートエンコーダーモデルを検討する。
教師あり学習によるファインチューニング:
プリトレーニングで得られた特徴量抽出器を用いて、限定的なラベルデータからユーザー位置を推定するモデルをファインチューニングする。
MLPベースの位置推定モデルを採用する。
実験では、IEEE CTW-2020データセットを用いて評価を行った。結果、自己教師あり学習によるプリトレーニングを行ったCNNベースのモデルが最も優れた性能を示し、平均MAEが16.8メートルと大幅な精度向上を実現した。これは、大量の未ラベルデータを活用することで、限定的なラベルデータでも高精度なユーザー位置推定が可能となることを示している。
Stats
CSIデータの平均絶対誤差(MAE)は、x軸で18.4メートル、y軸で21.2メートル、z軸で10.9メートルであった。
3軸平均のMAEは16.8メートルであった。
Quotes
"自己教師あり学習の台頭は、ユーザー位置推定の分野において画期的な可能性を秘めている。"
"本研究は、自己教師あり学習と教師あり学習の相乗効果を実証し、ラベルデータが限定的な場合でも高精度なユーザー位置推定が可能であることを示している。"