Core Concepts
回帰分析モデルの予測値を用いて累積分布関数に基づいて超過確率を推定する新しい手法を提案する。
Abstract
本論文では、有義波高の超過確率を予測する新しい手法を提案している。従来の手法では、超過確率を二値分類問題として扱うか、アンサンブル回帰モデルを用いて超過確率を推定していた。
提案手法では、回帰分析モデルの予測値を用いて、累積分布関数に基づいて超過確率を推定する。具体的には、回帰モデルの予測値を平均とし、訓練データから算出した標準偏差を分散とする正規分布の累積分布関数を用いて超過確率を計算する。
提案手法を、カナダのハリファックス沖に設置された浮遊観測ブイのデータを用いて検証した。結果、提案手法は従来の二値分類手法やアンサンブル回帰手法よりも優れた超過確率推定性能を示した。
また、深層学習ニューラルネットワークを回帰モデルとして用いた場合に最も良い結果が得られた。一方で、複数の回帰アルゴリズムを組み合わせたヘテロジニアスなアンサンブル回帰モデルは、単一のランダムフォレスト回帰モデルよりも良い結果を示さなかった。
Stats
予測値が閾値を超える確率は50%である。
実際の値は閾値を24%の確率で超過していた。
Quotes
"波高予測は海洋データ解析における重要な問題である。有義波高の予測は、波力発電量の推定に不可欠である。さらに、大波の発生を適時に予測することは、海上作業の安全性を確保するために重要である。"
"本研究では、有義波高の極端値予測を超過確率予報問題として定式化する。具体的には、有義波高が事前に定めた閾値を超える確率を推定することを目的とする。"