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氷Ihの表面構造と前融解過程を原子分解能で観察


Core Concepts
氷Ihの表面は混合Ih-Ic構造の再構成表面で、表面の無秩序化が前融解の開始を示す。
Abstract
本研究では、qPlus型低温原子間力顕微鏡を用いて、六方晶氷(氷Ih)の基底面(0001)表面の原子分解能イメージングに成功した。その結果、氷Ih表面は、六方晶(Ih)と立方晶(Ic)の混合ナノドメインからなる(\sqrt{19}\times \sqrt{19})の周期的な再構成構造を持つことが明らかになった。密度汎関数理論計算により、この再構成表面は、dangling OH結合間の静電反発を最小化することで安定化されていることが示された。さらに、120ケルビン以上の温度では、Ih-Ic境界の欠陥領域から表面の無秩序化が始まり、平面的な局所構造の形成によって前融解が促進されることが観察された。これらの結果は、長年の氷表面構造に関する議論に終止符を打ち、氷の物理化学の理解を一新する可能性がある。
Stats
氷Ih表面の(\sqrt{19}\times \sqrt{19})再構成構造 表面の無秩序化が始まる温度: 120ケルビン以上
Quotes
"氷表面は混合Ih-Ic構造の再構成表面で安定化されている" "表面の無秩序化は欠陥領域から始まり、平面的な局所構造の形成によって前融解が促進される"

Deeper Inquiries

氷表面の再構成構造はどのような条件で形成されるのか

氷表面の再構成構造は、主に水素結合ネットワークの脆弱性と複雑な前融解プロセスによって形成されます。具体的には、氷Ihの基底(0001)面構造は、Ih-および立方体(Ic)スタッキングナノドメインからなる混合構造であり、(\sqrt{19}\times \sqrt{19})周期的な超構造を形成しています。この再構成表面は、主にOH結合の電気的反発を最小限に抑えることによって、理想的な氷表面よりも安定化されています。

他の氷多形の表面構造はどのように異なるのか

他の氷多形の表面構造は、氷Ihの再構成表面とは異なる特性を持っています。例えば、氷Icの表面は氷Ihと比較してより異方性が高く、異なる結晶構造を示すことが知られています。さらに、氷の多形によって表面の水素結合パターンや分子配列が異なるため、それぞれの表面構造は独自の特性を持っています。

氷表面の前融解過程は大気化学や地球物理学にどのような影響を及ぼすのか

氷表面の前融解過程は大気化学や地球物理学に重要な影響を及ぼします。例えば、氷表面の前融解は大気中の化学反応や気体吸収に影響を与える可能性があります。また、氷の前融解は地球の氷床や氷河の物理的性質にも影響を及ぼし、氷の融解や凍結プロセスに関連する地球温暖化や気候変動についての理解を深める上で重要な要素となります。
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