Core Concepts
DC-iDEP技術を用いることで、グルコース刺激の有無によって変化するインスリン分泌小胞のサブポピュレーションを高分解能で分離・解析できる。
Abstract
本研究では、直流絶縁体誘電泳動(DC-iDEP)技術を用いて、膵β細胞由来のインスリン分泌小胞のサブポピュレーションを高分解能で分離・解析した。
グルコース非刺激下(n-insulin vesicles)とグルコース刺激下(g-insulin vesicles)のインスリン分泌小胞を、DC-iDEPデバイスを用いて分離した。
n-insulin vesiclesと g-insulin vesiclesでは、電気動力学的移動度(EKMr)の分布パターンに明確な違いが見られた。
n-insulin vesiclesでは、EKMrが約1.2×10^10 V/m^2、5-6×10^9 V/m^2、3-4×10^9 V/m^2付近に特徴的なピークが観察された。
g-insulin vesiclesでは、EKMrが約1.1×10^10 V/m^2、8×10^9 V/m^2、4×10^9 V/m^2付近にピークが観察された。
統計解析の結果、n-insulin vesiclesとg-insulin vesiclesの分布パターンには有意な差があることが示された。
これらの結果は、グルコース刺激によってインスリン分泌小胞のサブポピュレーションが変化することを示唆している。
DC-iDEP技術は、インスリン分泌小胞のような複雑な細胞内小器官のサブポピュレーションを高分解能で分離・解析できる強力なツールである。
Stats
グルコース刺激によって、インスリン分泌小胞のEKMrが約2.3×10^10 V/m^2まで広がった。
グルコース非刺激下のインスリン分泌小胞では、EKMrの最大値が1.5×10^10 V/m^2であった。
Quotes
"DC-iDEP provides a valuable tool for separating subpopulations of bioparticles with high resolution including viruses, bacteria, organelles, and proteins."
"Consistent with the vesicles from untreated cells, patterns of primarily overlapping subpopulations were detectable at a voltage of 1800V."
"The pattern of EKMr values is influenced by individual insulin vesicles. The distribution of this pattern reflects differences in physical properties of the vesicles in response to exposure of the cells to glucose."