Core Concepts
プロテアソームIDは、生体内外でプロテアソームの相互作用とサブストレートを包括的に同定することができる。
Abstract
本研究では、プロテアソームの相互作用とサブストレートを効率的に解析するためのプロテアソームIDという手法を開発した。
まず、プロテアソームの主要サブユニットにプロミスキャスなバイオチン化酵素を融合させ、これを安定発現する細胞株を作製した。これにより、プロテアソームに近接する蛋白質がバイオチン化される。ストレプトアビジン精製とDIA質量分析により、プロテアソームの相互作用蛋白質を網羅的に同定できることを示した。
プロテアソームIDは、既知のプロテアソーム相互作用蛋白質をほぼ網羅的に検出できることを確認した。さらに、プロテアソーム阻害剤処理と組み合わせることで、プロテアソームのサブストレートも同定できることを示した。これには、転写因子などの低abundance蛋白質も含まれていた。
最後に、プロテアソームIDをマウスモデルに応用し、複数の臓器でプロテアソームの相互作用蛋白質を同定できることを実証した。この手法は、プロテアソームの機能解析や創薬標的の同定に有用と考えられる。
Stats
プロテアソームサブユニットの平均log2フォールド変化は4以上であった。
ユビキチンの平均log2フォールド変化は3.5であった。
プロテアソームアクチベーターPSME1、PSME2、PSME3の平均log2フォールド変化は3以上であった。
Quotes
"プロテアソームIDは、生体内外でプロテアソームの相互作用とサブストレートを包括的に同定することができる。"
"プロテアソームIDは、既知のプロテアソーム相互作用蛋白質をほぼ網羅的に検出できる。"
"プロテアソームIDは、プロテアソームのサブストレートも同定できる。これには、転写因子などの低abundance蛋白質も含まれていた。"