Core Concepts
Toll様受容体シグナル伝達経路は、ミドソームと呼ばれる動的な複合体内で完全に実行されることが示された。
Abstract
本研究では、マクロファージを遺伝子工学的に改変し、内因性のミドソーム構成タンパク質MyD88の顕微鏡観察とプロテオーム解析を行った。その結果、以下の知見が得られた:
ミドソームは活性化したToll様受容体と一時的に接触し、TLR非依存的なミドソームは24時間にわたって動的に変化する。
超解像度顕微鏡観察により、ほとんどのミドソーム内でMyD88がバレル状の構造を形成し、エフェクタータンパク質の足場として機能することが明らかになった。
プロテオーム解析により、ミドソームにはTLRシグナル伝達経路のあらゆる段階と応答を制御するタンパク質が含まれていることが示された。
遺伝学的解析により、これらのエフェクターモジュール間の epistatic な関係が定義された。
ミドソームの形成はListeria monocytogenes感染細胞でも観察されたが、この細菌はミドソームの組み立てとTLRシグナル伝達を細胞間伝播の際に回避することが明らかになった。
以上の知見に基づき、TLRシグナル伝達経路全体がミドソーム内で実行されると提唱された。
Stats
Toll様受容体は感染症と健康・疾病の理解に中心的な役割を果たす。
ミドソームはTLR活性化後に一時的に形成され、TLR非依存的にも動的に変化する。
ミドソーム内ではMyD88がバレル状の足場構造を形成する。
ミドソームにはTLRシグナル伝達の全段階を制御するタンパク質が含まれる。
Listeria monocytogenes はミドソームの形成とTLRシグナル伝達を回避する。
Quotes
「ミドソームは活性化したToll様受容体と一時的に接触し、TLR非依存的なミドソームは24時間にわたって動的に変化する。」
「ほとんどのミドソーム内でMyD88がバレル状の構造を形成し、エフェクタータンパク質の足場として機能する。」
「ミドソームにはTLRシグナル伝達経路のあらゆる段階と応答を制御するタンパク質が含まれている。」