本研究は、2011年1月1日から2018年11月30日の間に292人の患者で診断された351件のMIS病変を後ろ向きに評価したものである。対象となった病変は、手術記録に5mmの切除マージンが記載されており、切除部位の5年以上のフォローアップデータがあるものである。除外基準は、切除マージンが記載されていないもの、5年未満のフォローアップ、複数回の広範切除を要したものである。
患者の平均年齢は60.3歳、55.5%が女性であった。病変の平均サイズは6×5mmで、最も多い亜型は表在拡大型メラノーマ(50.4%)、次いでレンティーゴ悪性黒色腫(30.5%)、レンティギナス型MIS(19.1%)であった。病変部位は体幹部(47.9%)が最も多く、上肢(27.4%)、下肢(16.8%)、頸部(4%)、顔面(3.4%)、頭皮(0.6%)と続いた。78.1%が長径10mm未満、88.9%が短径10mm未満の小型病変であった。
初回治療は切除生検が71%、シェービング切除が29.3%であった。中央フォローアップ期間は7年であった。
351件中3件(0.9%)に局所再発を認めたが、領域リンパ節再発や遠隔転移は認めなかった。再発病変は切除margin clear marginで再切除され、その後5年以上のフォローアップで追加再発は認めなかった。
従来のモース手術の報告では、MISの局所再発率は0.26-1.1%で、切除マージンは6-12mmが必要とされていた。本研究では、5mmの切除マージンでも0.9%と同等の良好な成績が得られた。小型(10mm未満)のMISに対しては、5mmの切除マージンで治療に伴う罹患率と費用を低減できる可能性がある。
ただし本研究は後ろ向き単一施設研究であり、病変サイズが小型に偏っているなどの限界がある。さらなる検証が必要とされる。
To Another Language
from source content
www.medscape.com
Key Insights Distilled From
by Doug Brunk at www.medscape.com 06-26-2024
https://www.medscape.com/viewarticle/excision-5-mm-margins-evaluated-small-melanoma-situ-2024a1000bw2Deeper Inquiries