本研究では、TIMM50 の疾患関連変異を持つヒト線維芽細胞と TIMM50 ノックダウンマウス神経細胞を用いて、TIMM50 欠乏の影響を包括的に解析した。
TIMM50 は TIM23 複合体の重要なサブユニットであり、ミトコンドリア内膜タンパク質の約60%をインポートすると考えられている。TIMM50 変異は重篤な神経学的症状を引き起こすことが知られているが、TIMM50 欠乏がミトコンドリアプロテオームに及ぼす影響は明らかになっていなかった。
本研究の結果、TIMM50 欠乏は TIM23 複合体の主要サブユニットの発現を低下させたが、ほとんどのミトコンドリアタンパク質の定常状態レベルには影響を及ぼさなかった。しかし、酸化的リン酸化系とミトコンドリアリボソームのサブユニットの発現が著しく低下し、細胞呼吸能力と ATP 産生が低下した。
さらに、TIMM50 欠乏は神経細胞の軸索内ミトコンドリア輸送を阻害し、KCNA2 および KCNJ10 カリウムチャネルの発現を低下させることで、神経活動の亢進を引き起こした。これらの変化は、TIMM50 変異患者に見られる神経学的症状の原因となる可能性がある。
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by Paz,E., Jain... at www.biorxiv.org 05-20-2024
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