Core Concepts
単一の決定を支える神経活動の変動成分を捉えることで、確率的な意思決定プロセスの実現を示した。
Abstract
本研究では、マカクザルの側頭頭頂皮質(LIP)における神経活動を同時記録し、単一の意思決定を支える神経信号を明らかにした。
- 従来の研究では、試行平均された神経活動しか観察されていなかったが、高密度の神経記録を用いることで、単一試行レベルの変動成分を捉えることができた。
- 単一試行の神経活動は、ランダムな証拠の蓄積と停止境界に到達するというドリフト拡散過程を反映していることが示された。
- この神経信号は、選択と反応時間の変動を説明する決定変数として機能していることが明らかになった。
- 決定変数を表す神経活動は、選択ターゲットの反応野を持つ一部のニューロンによって主に担われていることが示された。一方で、運動方向選択性を持つニューロンは、ノイズの証拠を表現していると考えられる。
- これらの結果は、単一の意思決定を支える神経計算の実現を直接的に示したものである。
Stats
選択確率と反応時間の分布は、ドリフト拡散モデルによく説明される。
単一試行の神経活動の分散は時間とともに増大し、また自己相関の時間変化もドリフト拡散過程に一致する。
単一試行の神経活動は、選択と反応時間の変動を有意に予測する。
Quotes
"単一の決定を支える神経活動の変動成分を捉えることで、確率的な意思決定プロセスの実現を示した。"
"決定変数を表す神経活動は、選択ターゲットの反応野を持つ一部のニューロンによって主に担われていることが示された。"
"これらの結果は、単一の意思決定を支える神経計算の実現を直接的に示したものである。"