Core Concepts
空間ベイズニューラルネットワーク(SBNN)は、空間データの高度なモデリングを可能にする新しいクラスのモデルである。SBNNは、ベイズニューラルネットワーク(BNN)の表現能力を活用し、空間埋め込み層や空間的に変動するパラメータを組み込むことで、従来のBNNよりも空間依存性や非定常性をより良くモデル化できる。
Abstract
本論文では、空間ベイズニューラルネットワーク(SBNN)を提案している。SBNNは、ベイズニューラルネットワーク(BNN)をベースとしているが、以下の2つの点で拡張されている:
空間埋め込み層の導入
入力層にRBF基底関数を用いた空間埋め込み層を追加することで、空間依存性をモデル化できる。
空間的に変動するパラメータ
重みとバイアスのパラメータを空間的に変動させることで、非定常な空間プロセスをより良くモデル化できる。
SBNNには以下の4つのバリエーションがある:
SBNN-IL: 空間埋め込み層あり、空間的に一定のパラメータ、層ごとの事前分布
SBNN-IP: 空間埋め込み層あり、空間的に一定のパラメータ、パラメータごとの事前分布
SBNN-VL: 空間埋め込み層あり、空間的に変動するパラメータ、層ごとの事前分布
SBNN-VP: 空間埋め込み層あり、空間的に変動するパラメータ、パラメータごとの事前分布
これらのSBNNモデルは、ワッサーシュタイン距離を最小化することで、目標の空間プロセスの特性を良好に捉えられるよう較正される。
シミュレーション実験の結果、SBNNは定常ガウス過程、非定常ガウス過程、定常対数正規過程といった様々な空間プロセスをよくモデル化できることが示された。特に、空間的に変動するパラメータを持つSBNN-VLとSBNN-VPは、非定常な空間プロセスをより良くモデル化できることが分かった。
Stats
定常ガウス過程のワッサーシュタイン距離: SBNN-VP 2.00, SBNN-IP 6.72
非定常ガウス過程のワッサーシュタイン距離: SBNN-VP 0.95, SBNN-IP 2.65
定常対数正規過程のワッサーシュタイン距離: SBNN-VP 1.03, SBNN-IP 0.69