Core Concepts
Fam83fの欠失は、ゼブラフィッシュ胚の早期孵化と DNA 損傷に対する感受性の増大をもたらす。これは、Fam83fがオートファジーおよびリソソーム関連プロセスを調節することで説明できる。
Abstract
本研究では、ゼブラフィッシュのFam83f遺伝子ノックアウト系統を作出し、その表現型を解析した。
Fam83fは発生過程のふ化腺で強く発現しており、Fam83f欠失系統の胚は野生型に比べて早期に孵化する。また、Fam83f欠失胚は DNA 損傷に対する感受性が高いことが示された。
RNA-seq解析の結果、Fam83f欠失により、リン酸化イノシトール3リン酸(PI(3)P)結合タンパク質の発現が低下し、オートファジーを含む細胞内分解経路が障害されていることが明らかになった。さらに、過剰発現実験から、Fam83fタンパク質自体がリソソームに局在することが示された。
以上の結果から、Fam83fはオートファジー/リソソーム関連プロセスを調節することで、ゼブラフィッシュ胚の孵化タイミングと DNA 損傷応答に関与していると考えられる。
Stats
ゼブラフィッシュ胚のFam83f欠失は、野生型に比べて約10時間早期の孵化を引き起こす。
Fam83f欠失胚は、野生型に比べて放射線照射に対する感受性が高い。
Quotes
Fam83fの欠失は、オートファジー/リソソーム関連プロセスの障害を引き起こし、その結果として孵化タイミングの異常と DNA 損傷応答の異常が生じる。
Fam83fタンパク質自体がリソソームに局在することが示された。