本研究では、パンネキシン1(PANX1)のチロシンリン酸化とその活性化メカニズムについて調べた。以前の研究では、非受容体型チロシンキナーゼのSrcがマウスPANX1のTyr198およびTyr308(ヒトPANX1のTyr199およびTyr309に相当)をリン酸化し、チャネルの開口とATP放出を引き起こすことが報告されていた。しかし、PANX1のチロシンリン酸化を独立して検証した研究は少なかった。
本研究では、SrcによるヒトPANX1のリン酸化を検証するため、Phos-tag電気泳動、質量分析、電気生理学的解析などを行った。その結果、以下のことが明らかになった:
市販の抗リン酸化PANX1抗体(抗PANX1-pY198、抗PANX1-pY308)は非特異的であり、PANX1のリン酸化を解釈するのに適切ではない。
Srcキナーゼ存在下でも、ヒトPANX1のTyr199およびTyr309はリン酸化されない。
ヒトPANX1の電流活性はSrcの有無によって変化しない。
以上の結果から、Srcによるチロシンリン酸化依存的なPANX1チャネルの活性化メカニズムについては再検討が必要であると結論付けられた。PANX1の動的な調節機構の解明には、リン酸化以外の調節メカニズムの探索が重要であると考えられる。
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by Ruan,Z., Du,... at www.biorxiv.org 09-12-2023
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