Core Concepts
トンネリングナノチューブの主要な構成成分はCD9とCD81テトラスパニンであり、これらが非冗長的な機能を果たすことで、ナノチューブの形成と機能を調節している。
Abstract
本研究では、U2OS細胞からトンネリングナノチューブ(TNT)を精製し、その全蛋白質組成を明らかにした。TNTの主要な構成成分は細胞骨格関連蛋白質、膜蛋白質、リボ核蛋白質などであった。特に、テトラスパニンファミリーのCD9とCD81が主要な構成成分として同定された。
CD9とCD81の機能解析から、以下のことが明らかになった:
CD9はTNTの安定化に関与する一方で、CD81はTNTの完全な形成に必要である。
CD9の活性化によりTNTの数が増加し、CD81の欠失によりTNTを介した小胞の移行が減少する。
CD9とCD81は互いに補完的な役割を果たし、TNTの形成と機能を協調的に調節している。
以上の結果から、TNTの形成と機能発現にはCD9とCD81の非冗長的な役割が重要であることが示された。
Stats
TNTの直径は平均69 nmであり、長さは140-900 nmの範囲であった。
TNTの主要な構成成分は、アクチン、ミオシン10、ERp29、N-カドヘリンなどであった。
CD9とCD81はTNTの主要な膜蛋白質であり、EVsと比べてTNTにより多く存在していた。
Quotes
"TNTは細胞間の直接的な物質移動を可能にする重要な構造であるが、その正確な組成と調節機構はよくわかっていなかった。"
"CD9とCD81は互いに補完的な役割を果たし、TNTの形成と機能を協調的に調節している。"