Core Concepts
RISを用いることで、センシング性能を最大化しつつ通信ユーザの最小SINRを保証することができる。一方で、RISを悪用することで、センシング性能を意図的に低下させることも可能である。
Abstract
本論文では、RISを用いた統合型センシングおよび通信(ISAC)システムを考える。まず、RISの建設的な側面に着目し、センシング信号対雑音比(SNR)を最大化するアルゴリズムを提案する。このアルゴリズムでは、通信ユーザの最小SINRを保証しつつ、センシングSNRを最大化する。
一方で、RISを悪用した破壊的な側面についても検討する。RISの制御回路が不正にアクセスされた場合、通信ユーザの最小SINRを保証しつつ、センシングSNRを意図的に最小化することが可能である。このような攻撃は検出が困難であるため、深刻な問題となる。
さらに、RISの個々の素子の故障が、両方のアルゴリズムに与える影響についても評価する。シミュレーション結果から、RISは性能向上と性能劣化の両面で大きな影響を及ぼすことが示され、前者のアルゴリズムはある程度の耐故障性を有することが明らかになった。
Stats
RISの個々の素子の故障が、センシングSNRの最大化と最小化に与える影響は大きい。
位相バイアスが π/3 の場合、完全に機能するRISと比べて、センシングSNRが2 dB低下する。
一方、センシングSNRの最小化アルゴリズムでは、位相バイアスが π/6 の場合、最終的なセンシングSNRが10 dB低下する。
Quotes
"RISを悪用することで、通信ユーザの最小SINRを保証しつつ、センシングSNRを意図的に最小化することが可能である。"
"RISの個々の素子の故障は、センシングSNRの最大化と最小化に大きな影響を及ぼす。"