Core Concepts
5G NR V2X 側リンクにおいて、ノード間で利用可能リソースの情報を共有することで、ヒドンノード問題による衝突を軽減する。
Abstract
本論文は、5G NR V2X 側リンク通信におけるリソース割当の課題について検討している。
5G NR V2Xの側リンク通信では、Mode 2(a)と呼ばれる自律的なリソース割当方式が用いられる。しかし、この方式ではヒドンノード問題により、パケット衝突が発生する可能性がある。
そこで本論文では、ノード間でリソース占有状況の情報を共有する協調的なリソース割当方式を提案している。具体的には、各ノードが前回の送信時に検知したリソース占有状況を、自身の送信時のSCIに含めて通知する。これにより、ノード間の認知範囲が広がり、ヒドンノード問題による衝突を軽減できる。
シミュレーション評価の結果、提案方式はMode 2(a)に比べて、パケット受信率が大幅に向上することが示された。一方で、共有する情報量の増加によるオーバーヘッドの影響など、課題も指摘されている。
今後は、提案方式の詳細な特性評価や、3GPPで検討されているMode 2(b)~(d)との関係性の整理などが必要とされる。
Stats
車両数が50両の場合、提案方式のパケット受信率は従来方式に比べて10%以上向上した。
車両数が100両の場合、提案方式のパケット受信率は従来方式に比べて15%以上向上した。
Quotes
"提案方式は、ヒドンノード問題による衝突の発生を大幅に抑制できる可能性がある。"
"提案方式では、共有する情報量の増加によるオーバーヘッドの影響も考慮する必要がある。"