Core Concepts
本論文では、内点法に基づく量子アルゴリズムを提案し、変数数dに対して制約数nが十分大きい線形計画問題を高速に解くことができることを示す。主な貢献は、行列の特異値近似と勾配の近似に関する新しい量子アルゴリズムの開発である。
Abstract
本論文では、内点法に基づく量子アルゴリズムを提案し、変数数dに対して制約数nが十分大きい線形計画問題を高速に解くことができることを示している。
主な内容は以下の通り:
内点法の概要と量子アルゴリズムの適用について説明している。内点法の核となるニュートン ステップの計算を高速化するため、行列の特異値近似と勾配の近似に関する新しい量子アルゴリズムを開発している。
行列の特異値近似アルゴリズムでは、レバレッジスコアに基づくサンプリングと量子グローバー探索を組み合わせることで、行列サイズnに対して√nの量子加速を実現している。
勾配の近似アルゴリズムでは、多変量平均推定の量子アルゴリズムを活用し、条件数に依存しない高精度な近似を実現している。
これらの量子サブルーチンを組み合わせることで、変数数dに対して制約数nが十分大きい線形計画問題を、√n · poly(d, log(1/ε))の時間で解くことができる量子内点法アルゴリズムを提案している。
提案アルゴリズムの性能を分析し、いくつかの改善の方向性を議論している。
Stats
変数数dに対して制約数nが十分大きい線形計画問題を、√n · poly(d, log(1/ε))の時間で解くことができる。
行列の特異値近似アルゴリズムでは、√nd/δの行クエリーで δ-近似を得ることができる。
勾配の近似アルゴリズムでは、√nd∥v∥∞/δの行クエリーで δ-近似を得ることができる。