Core Concepts
クラシック音楽の楽曲カバーを効率的かつスケーラブルに検出するために、和音とメロディに基づくフィンガープリント「CLARAPRINT」を提案する。
Abstract
本研究では、クラシック音楽の楽曲カバー検出のための新しいフィンガープリンティング手法「CLARAPRINT」を提案している。クラシック音楽の特徴である和声進行とメロディ進行に着目し、これらの高次特徴を活用することで、楽曲の同一性を効率的に捉えることができる。
具体的な手順は以下の通りである:
- 音声信号から30秒または120秒を抽出し、無音部分やノイズを除去する。
- 和音抽出アルゴリズムと旋律抽出アルゴリズムを適用し、和音進行とメロディ進行を得る。
- 抽出された和音進行とメロディ進行から、ピッチ進行を簡略化し、音程の変化を表す文字列に変換する。
- この文字列を用いて、Okapi BM25アルゴリズムに基づくストリング照合を行い、楽曲の類似度を算出する。
実験の結果、和音進行に基づくフィンガープリントが最も優れた性能を示すことが分かった。また、同一楽曲の複数の演奏を組み合わせることで、さらに検出精度が向上することが確認された。
本研究では、100の楽曲と各5つの演奏からなる新しいデータセットも公開しており、クラシック音楽の楽曲検出研究の発展に寄与することが期待される。
Stats
クラシック音楽の楽曲は、同一の楽譜に基づいて演奏されるため、演奏間の違いは拍子や表現の違いに限定される。
クラシック音楽の楽曲は、一般的に長尺であり、30秒では楽曲の特徴を捉えきれない。
和音進行に基づくフィンガープリントは、メロディ進行に基づくものよりも優れた性能を示す。
同一楽曲の複数の演奏を組み合わせることで、検出精度が向上する。
Quotes
"クラシック音楽の楽曲カバーは、一般的な楽曲カバーよりも特徴が限定的である。楽譜に基づいて演奏されるため、テンポや表現の違いが主な差異となる。"
"クラシック音楽の楽曲には、明確な拍子パターンがない場合があり、拍に基づく特徴抽出の効率が低下する。"