Core Concepts
本論文は、サービスベースアーキテクチャにおけるネットワーク機能の相互接続を実現するための、ソフトウェア定義ネットワークベースのソリューションを提案する。このソリューションは、ネットワーク機能に対して完全に透過的であり、3GPPが定義したサービス通信プロキシ(SCP)の機能を実現する。
Abstract
本論文は、5Gコアネットワーク(5GC)のサービスベースアーキテクチャ(SBA)における課題に取り組んでいる。SBAでは、ネットワーク機能(NF)がサービスとして公開され、他のNFがそれらにアクセスできるようになる。この柔軟なアーキテクチャにより、トラフィック負荷や事業者の要件に応じてコアネットワークを動的に適応させることができる。
しかし、この可変性は課題も生み出す。3GPPは最近、SBAにおけるシグナリング通信を抽象化するためのサービス通信プロキシ(SCP)エンティティを導入した。SCPは間接通信と委任型のサービス発見を提供するが、NFに対して完全に透過的ではなく、複雑性と オーバーヘッドを増加させる。
本論文では、SCPの機能を実現するための完全に透過的なソフトウェア定義ネットワーク(SDN)ベースのソリューションを提案する。このソリューションは、NFに対して完全に透過的であり、NFの実装を簡素化する。
提案ソリューションの性能を、スループットとレイテンシの観点から評価し、直接通信シナリオおよびエージェントベースのSCP実装と比較した。実験結果から、SDNベースの実装はダイレクト通信と同等のパフォーマンスを達成できることが示された。一方、エージェントベースのSCP実装は、シグナリング負荷の増加に伴って大幅なオーバーヘッドを生む可能性がある。
提案ソリューションは、SCPの機能を実現しつつ、NFに対して完全に透過的であり、NFの実装を簡素化する。また、SDN技術を活用することで、5GCに追加のエンティティを導入することなく目的を達成できる。
Stats
5Gコアネットワークのシグナリング負荷が増加しても、提案ソリューションを介して転送されるパケットの割合は6%未満に抑えられる。
Quotes
「提案ソフトウェア定義ネットワークソリューションは、ネットワーク機能に対して完全に透過的であり、3GPPが定義したサービス通信プロキシ(SCP)の機能を実現する」
「実験結果から、SDNベースの実装はダイレクト通信と同等のパフォーマンスを達成できることが示された」