Core Concepts
d次元ベクトル加算システムにおける単調減少鎖の長さは、n2O(d)の上界を持つ。
Abstract
本論文では、d次元ベクトル加算システムにおける単調減少鎖の長さに関する新しい上界を示した。
まず、ベクトルの「薄さ」という概念を一般化し、これを用いて単調減少鎖の長さを解析した。この結果、単調減少鎖の長さは n2O(d)であることが分かった。これは、Künnemann et al.によって示された最小カバリング実行の長さの上界と一致する。
さらに、この結果を用いて、ベクトル加算システムの可到達性問題に対するバックワードカバリティアルゴリズムの実行時間も n2O(d)であることを示した。これは、Rackoffの2O(d lg d)の上界を改善するものである。
また、この手法を逆アフィンネットの可到達性問題にも適用し、問題がEXPSPACE完全であることを示した。これは、Benedikt et al.による2EXPSPACEの上界を改善するものである。
全体として、単調減少鎖の長さに関する新しい上界を示し、それを様々な問題に適用することで、従来の上界を改善することができた。
Stats
ベクトル加算システムの入力サイズをnとすると、バックワードカバリティアルゴリズムの実行時間は n2O(d)である。
逆アフィンネットの可到達性問題は EXPSPACE 完全である。